
ダンジョンズ&ドリーマーズ(第2版): コンピュータゲームとコミュニティの物語
ブラッド・キング、ジョン・ボーランド、平松 徹
この本について
ゲームが好きでも、「なんでこんなに肩身が狭いんだろう」と感じる瞬間ってありますよね。暴力だの依存だのと言われ続ける一方で、自分がゲームに救われた経験も確かにあって、そのズレにモヤっとする。僕も長くその違和感を抱えたまま大人になりました。 『ダンジョンズ&ドリーマーズ』を読んで面白かったのは、ゲームそのものよりも、「ゲームを遊ぶ人間の側にあるリアル」を丁寧に追っているところです。研究所が子どものメディア体験を恐れたり、プレイヤーたちがコンピュータ資源を浪費してまで宇宙船を撃ち合ったり、UOの世界を最初の数日で血まみれにしたり……その全部に、僕らと同じ葛藤や衝動がちゃんと描かれている。人はなぜゲームで暴れるのか、なぜ見知らぬ誰かとLANで肩を並べると落ち着くのか、そしてなぜコミュニティが自然に生まれ、時に抗議運動まで起こしてしまうのか。読んでいるうちに、ゲームを通して揺れる感情の説明書を手渡されたような感覚がありました。 特に、ただの「迷惑行為」や「模倣」では片づけられないプレイヤーの行動に光を当ててくれるのがありがたいところです。泥棒を演じる人には泥棒の論理があって、追いはぎが魅力的なのにも理由があって、そしてゲーム世界のルールを壊す行為だって、コミュニティの不満や願望の現れなんだとわかってくる。ゲームというより、人間の物語として読むと腑に落ちるシーンばかりでした。 ゲームで育ってきたことを後ろめたく思ったことがある人や、仕事や生活の中で「人が集まる場所のふるまい」を考えることが多い人には、かなり刺さると思います。僕も、自分のモヤモヤの正体を少し整理できました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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