
銀花の蔵
遠田潤子
新潮社 / 2020-04-24
累計読者数4
平均ハイライト数 3.5件/人
推定読了時間 約4時間50分
star総合評価 30/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 18%
この本について
人間関係って、気づけばどこかで「しがらみだなあ」と感じてしまうことがありますよね。距離を取ろうとしても、家族や地元の記憶みたいなものは勝手にまとわりついてくるし、忘れたつもりの景色がふと胸を引っ張ることもある。僕自身、そういう感覚をうまく言葉にできずに放置してきたタイプです。 『銀花の蔵』を読んでいて刺さったのは、まさにその“まとわりつくもの”の正体が、風景や匂い、誰かの一言として淡々と描かれているところでした。奈良の橿原市や橿原神宮、天王寺動物園の記憶みたいに、一見ただの土地や出来事が、登場人物の心を引き戻す装置になっている。読んでいると、自分の中にも似た場所や瞬間があることに静かに気づかされます。そして、好きな絵の系統が噛み合わないような細かなズレが、人間関係の“解けなさ”として効いてくるあたりも、妙にリアルでした。 この物語が効いてくるのは、過去を断ち切るより、折り合いをつけて生きるほうが自分に向いていると感じている人だと思います。無理に前向きにならなくてもいいから、せめて自分の感情の置き場を見つけたい人に、そっと寄り添ってくれるはずです。 「自分の原点みたいな場所を思い出すと、なぜか胸がざわつく」という人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
大阪万博に沸く日本。絵描きの父と料理上手の母と暮らしていた銀花は、父親の実家に一家で移り住むことになる。そこは、座敷童が出るという言い伝えの残る由緒ある醬油蔵の家だった。家族を襲う数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら、少女は大人になっていく――。圧倒的筆力で描き出す、感動の大河小説。
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