
ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス (角川書店単行本)
春名 幹男
KADOKAWA / 2020-10-30
この本について
政治や国際ニュースを眺めていると、「結局どこで何が決まっているのか」「表に出てくる話だけ追っても、核心には触れられない気がする」というモヤモヤが残ることがあります。自分もずっとその感覚を持っていたのですが、この本を読んでようやく、表と裏の“つながり方”が少し見えてきました。 ロッキード事件というと、日本の政治スキャンダルの一つとして語られがちですが、本書はその背後にある軍産複合体の構造や、アメリカ政府・議会の力学、さらに多国籍企業の事情まで丁寧に追っています。たとえば、ロッキード社がベトナム戦争終結で受注が激減し、民間機の販売に社運を賭けざるを得なかった現実。その苦境が、日本への異常なロビー活動や資金の流れにつながっていくプロセスは、事件を“日本国内の話”で片づけられない理由を教えてくれます。また、議会小委員会の内部で、企業倫理の回復を狙う人物と、国家が企業利益を守るべきかを問う人物がぶつかり合っていたことも印象的で、ひとつの事件に対しても、政府や議会が単一の意思で動いていないことがわかります。 読みながら、「表に出る情報が部分的なのは当然で、むしろ“何が伏せられていたのか”を考える視点が必要なんだ」と気づかされました。これは政治に限らず、仕事で不自然な決定が下りてきた時や、大きな組織の動きに違和感を覚えた時にも役立つ感覚です。 政治の裏側を暴くための本というより、「権力や企業がどう動き、どこで歪みが生まれるのか」を静かに教えてくれる一冊でした。表の説明だけではどうも納得できない人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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