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獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち (イースト新書)

獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち (イースト新書)

田中淳夫

イースト・プレス / 2020-10-10

累計読者数3
平均ハイライト数 27.7件/人
推定読了時間 約2時間24分
star総合評価 72/100
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この本について

野生動物のニュースを見るたびに、「結局どこから手をつければいいのか…」とぼんやりしたまま終わってしまうことが多いんですよね。ハンター不足が原因と言われればそう聞こえるし、ジビエが流行れば何か良くなる気もする。でも実態はよくわからないまま、モヤモヤだけが残る。自分もずっとそんな感じでした。 この本を読むと、そのモヤモヤがだいぶほどけます。まず驚いたのは、「ハンターが減ったから獣害が増えた」という説明では数字が合わないという指摘。むしろハンターが減った時期に駆除数は急増していて、単純化された語りでは状況を説明できないとわかります。さらに、野生動物が増えた背景には、戦後の森林回復による餌の増加があり、個体数と被害量も必ずしも比例しないという描写が刺さりました。課題の正体を整理しないまま議論しても空回りするだけなんだな、と腹落ちします。 もう一つ印象に残るのは、ジビエを推せば駆除が進む、といった“希望的なつなぎ方”がまったく成立していない現実です。肉として販売できる量の少なさ、捕獲方法で肉質が大きく変わること、季節のズレ…。読むほどに「そりゃビジネスとして難しいよな」と納得し、同時に“現実的に何を変えればいいのか”の方向性が見えてきます。 野生動物や獣害の話題に触れるたび、論点が散らかっている感じがする人に向いている本です。複雑なテーマなのに、読み終えると「まずどこを見ればいいか」が静かに整っていきます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「住処を奪われている」のは、人間の方だった。 食害、人身被害、生態系の破壊、そして感染症…… 「動物愛護」が通用しない、日本の緊急事態に迫る! ・列島全域が「奈良公園」状態 ・コンビニ前にたむろするイノシシ ・レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル ・鳥獣被害額は年間1000億円以上? ・ネコは猛獣! 野生化ペットが殺す自然 ・コロナ禍は獣害! 人獣共通感染症の恐怖 ・食べて減らす? 誤解だらけのジビエ振興 近年、街中にシカやイノシシ、クマが出没して、よく騒ぎになっている。ニュースなどでよく目にする場面だが、そうした野生動物による「獣害」の深刻な実態を知る者は少ない。 駆除数はシカとイノシシだけで年間100万頭を優に超え、農林水産業被害の総額は、報告されていないものを含めれば年間1000億円を超えるといわれている。 「人間は動物の住処を奪っている」と思っている人は多いが、現在の日本においてはむしろ「動物が人間の住処を奪っている」のだ。 本書では、これまで様々な媒体で動物とヒト、そして森の関係を取り上げてきた森林ジャーナリスト・田中淳夫氏が「なぜ野生動物はこれほどまでに増えたのか?」「共存の道はあるのか?」といった難問に挑む。 動物愛護の精神だけでは解決しない「日本の大問題・獣害」について、偏見を捨て、改善に向けて現状を認識するための必読書。 【目次】 はじめに ▼第一章 日本は野生動物の楽園? ・身近な野生動物、イヌとネコ ・列島全域が「奈良公園」状態 ・コンビニ前にたむろするイノシシ ・寝たふりできないクマの激増ぶり ・レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル ・ラスカルは暴れん坊! 外来動物の脅威 ▼第二章 破壊される自然と人間社会 ・鳥獣被害額は一〇〇〇億円以上? ・森林を草原にする知られざる破壊力 ・檻と化した集落に閉じ込められた人々 ・ネコは猛獣! 野生化ペットが殺す自然 ・コロナ禍は獣害! 人獣共通感染症の恐怖 ▼第三章 野生動物が増えた本当の理由 ・国が野生動物を保護した時代 ・仮説(1) 地球温暖化で冬を越しやすくなった? ・仮説(2) ハンターの減少で駆除できない? ・仮説(3) 天敵のニホンオオカミが絶滅した? ・飽食の時代を迎えた野生動物たち ▼第四章 食べて減らす? 誤解だらけのジビエ振興 ・害獣駆除で生じる「もったいない」 ・期待される猟友会の危うい現実 ・野生動物がジビエになるまでの関門 ・シカ肉がビジネスになりにくい理由 ・野生動物の資源化と駆除の担い手 ・獣害対策は防護と予防にあり ▼第五章 獣害列島の行く末 ・トキは害鳥! 苛烈な江戸時代の獣害 ・獣害が少なかった時代の謎解き ・戦後に激変した日本列島の自然 ・撤退する人間社会と狙われる都会 ・「カワイイ」動物はなぜ生まれる? ・築けるか、人と野生の共生社会 おわりに 主な参考資料一覧
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