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兵諫

兵諫

浅田次郎

講談社 / 2025-11-14

累計読者数3
平均ハイライト数 7.7件/人
推定読了時間 約3時間56分
star総合評価 46/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%

この本について

最近、自分の立っている場所のルールや空気に流されて、本当は何を考えていたのか分からなくなるときがあります。組織って便利だけど、時々こわい。言語化できないまま飲み込まれていく感じがする。そういうときに『兵諫』を読むと、歴史の話なのに自分の話として刺さってくる瞬間がありました。 この本の核心は、当時の軍が抱えていた「構造の矛盾」が、人の思考や行動をどう縛っていったかを淡々と描いているところです。陸軍省と参謀本部のねじれ、武士道や大和魂といった輪郭のない精神論が現場を覆っていく過程、そして純粋培養された将校たちが外の世界を知らないまま決断を迫られていく姿。それを追っていくと、組織にいる自分の視界の狭さや、知らないうちに身についていた思考のクセに気づかされます。 同時に、国という単位でも、人という単位でも、「なぜその選択をしたのか」を丁寧に見ていくことの重さも教えてくれます。中国側の視点や、国家神道の性質、神話が社会を支える仕組みなど、現代のニュースを読むときにもそのままつながる視点が散りばめられていて、歴史が急に自分事になります。 特に、組織の中で「考えること」を諦めそうになっている人に刺さる一冊だと思います。自分がどんな前提に乗ってものを見ているのか、そもそもその前提はどこから来たのか。そんな問いを静かに置いていってくれる小説です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

たった一人の決意が、歴史を変えた。 張学良、そのとき弱冠、35歳。 西安で蒋介石の宿営地が襲撃された。張学良軍によるクーデターなのか。 蒋介石の生命については絶望視されるがーー 「西安事件」の真相を描く、心震える歴史法廷ミステリー 一九三六年。東京で二・二六事件の動揺も収まらないころ、世界に衝撃が走る。 「西安で張学良が蒋介石の身柄を拘束した」。張学良の目的は。蒋介石の安否は。 取材を進める朝日新聞の北村に陸軍大尉の志津は、天命の証、龍玉の話を始めるーー。 壮大なスケールで日中の近現代史を描く「蒼穹の昴」シリーズ第六部。 【解説・保阪正康】 二・二六事件と西安事件。1936年に起きた2つのクーデター事件をつなぐ見えない糸をたぐることによって、歴史の転換点を描いた傑作。命や名誉よりも大切な価値を知る者が真の英雄なのである。 ――佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官) 時代の求めに身を呈した軍人、記者たちが作り上げる重層の歴史ドラマ。国境を越えて連鎖する事件の決行者の役割を照射することで、見えざる大戦前夜の構図が浮き彫りになってくる。日中の若き軍人が訴えた「兵諫」の思想とは。 ――保阪正康氏(作家・評論家)
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