
もう、きみには頼まない石坂泰三の世界 (文春文庫)
城山 三郎
文藝春秋 / 1998-06-10
累計読者数8
平均ハイライト数 2.4件/人
推定読了時間 約3時間43分
star総合評価 34/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 28%
この本について
最近、「時間を取られるだけの打ち合わせ」とか、「意味の見えない依頼」に振り回されて、気づけば自分の一日が他人に食われていたな…と感じることが多くて。相手を嫌いとかじゃなくて、ただ、自分の時間の重みをどこかで軽く扱っていた気がするんです。 『もう、きみには頼まない』に出てくる石坂泰三の姿勢は、その感覚を静かに揺さぶってきます。自由経済だの経営哲学だのといった大きな話よりも、「それがしの一日」を守る、という等身大のこだわりのほうが刺さりました。誰に呼ばれようが、不本意な時間や不本意な食事はしない。その断り方や線引きの理由が、偉人の美談ではなく、生活感のある“自分の扱い方”として描かれているところが読む側を落ち着かせます。 もう一つよかったのは、石坂が人を見るときも“旅を共にする時間”を軸にしていた点です。評価軸が肩書きでも成果でもなく、一緒に過ごした時間のなかで見えるもの。それって職場でも家庭でも、本当は誰もが感じている判断基準なんじゃないかと思います。 自分の一日を他人に明け渡しがちな人、自分のペースを守る理由が言語化できていない人には、特に染みる一冊です。
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出版社による紹介
無事是貴人——何事も無いのが最上の人生。この言葉を信条としながらも、頼まれたらどんな難事も引き受け取り組んだ実業家・石坂泰三。第一生命を日本有数の保険会社にし、労働争議で危機を迎えた戦後の東芝を立て直し、経団連会長として日本経済の復興を任され、国家事業となった大阪万国博覧会を成功に導く。まるで流れのままに身をゆだねるような人生を歩みながら、一方で、どんな権力者にもおもねらず、あくまで自由競争を旨としたその経営哲学を、城山三郎が描く。
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