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月まで三キロ(新潮文庫)

月まで三キロ(新潮文庫)

伊与原新

新潮社 / 2021-06-24

累計読者数9
平均ハイライト数 3.1件/人
推定読了時間 約3時間59分
star総合評価 40/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 24%

この本について

最近、仕事でも子育てでも「何が正解なのか全然わからないまま動いているだけだな…」と立ち止まることが多くて。わかろうとすればするほど霧が濃くなるような、あの感じです。同時に、失敗を極力避けたくて、気づけば“うまくいきそうな道”だけ選んでしまっている自分もいる。そんなときに読んだのが、伊与原新さんの『月まで三キロ』でした。 この本は、答えに近づく物語というより、「わからなさと一緒に歩く感覚」を丁寧に描いてくれます。特に印象的だったのは、主人公たちが“わからないことを見つけていく”ことで前に進んでいく姿でした。わかるとは、わけること。まず、自分が何を理解していないのかを見つけるところから始まる。大人になるほど忘れがちな、でも本当は避けて通れない視点を思い出させてくれます。また、自然の中の無機質な美に気づく描写や、月と子どもの距離の比喩が、日常の見え方をそっと変えてくれるのも良かったです。 一歩動くのが怖いとき、正しい選択より「まず手を動かす」ことの意味を教えてくれる。そんな現実的な温度感が、この物語にはあります。自分のペースで悩みと付き合いたい人に、とても合う一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。(対談・逢坂剛)
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