
ライト、ついてますか 問題発見の人間学
ドナルド・C・ゴース, ジェラルド・M・ワインバーグ, and 木村 泉
共立出版 / 2020-09-20
この本について
仕事でも日常でも、問題を前にすると「これって本当に解くべきことなのか?」「そもそも何が問題なんだっけ?」と立ち止まる瞬間があると思います。自分では丁寧に向き合っているつもりでも、別の人から見たら全然違う風景が広がっていたりして、そこでまた混乱する。僕もずっとこのあたりでもやもやしてきました。 『ライト、ついてますか』は、その混乱をごまかさずに扱うための“視点の運動”を何度もやらせてくれる本です。たとえば、他人のモカシン靴で歩くように相手の立場に入り込んでみること。自分が慣れきった物事を、外国人や幼い子どもの目線で“もう一度見る”こと。あるいは、待ち時間を短くする代わりに、待つことそのものの意味づけを変えるような発想の転換。どれも派手ではないのですが、日々のあらゆる場面にそのまま持ち込めて、気づかないうちに凝り固まっていた前提がほどけていきます。 特に、問題を急いで定義しようとするとかえっておかしな方向へ進む、という話は身に覚えがありすぎて耳が痛いです。相手の反応が固いとき、それは相手のせいではなく、過去の誰かの扱い方が積み重なった結果かもしれないという指摘も、日常の小さな行き詰まりを違った角度で見直すきっかけになります。 自分の「思い込みのほうが問題だったかもしれない」と感じたことがある人には、静かに刺さる一冊だと思います。
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