
問い続ける力 (ちくま新書)
石川善樹
この本について
仕事でも人間関係でも、「目の前の問題に向き合っているはずなのに、どうしてか前に進んでいる感覚がない」という時期があります。自分では真剣に考えているつもりでも、そもそも“何が問題なのか”をつかめていないのでは…と不安になるあの感覚です。僕自身、課題を細かく分解すれば何とかなると思っていた頃ほど、思考が空回りしていました。 この本が効いてくるのは、まさにその「問いの立て方が曖昧なまま進めてしまう」状態に風を通してくれるところです。たとえば、著者が繰り返す“大きな視点と小さなディテールを行ったり来たりする”という姿勢は、状況の全体がそこそこ回っているのかどうかを見る感覚に近くて、局所のノイズに飲まれないための足場になります。また、“知識が足りないと問いが立たない”という指摘も、実務で行き詰まったときの心当たりがありすぎて、読んでいて妙に落ち着きました。問題をこじ開ける前に、どんなコンテクストを持っているかで見える景色が変わる、という視点です。 さらに個人的に救われたのは、好き嫌いの二項対立では統合できない、という話。議論の場でもチームでも、白黒つけようとするほど話が雑になる経験がある人には、かなり刺さると思います。価値観や歴史、文化の違いを“ヨコとタテ”で見るだけで、解像度が一段上がる感覚がありました。 「考えているはずなのに、問いの位置が定まらない」と感じている人にこそ、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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