
食べ歩くインド 北・東編
小林 真樹
旅行人 / 2020-08-15
この本について
食の本を読んでいて、「おいしそうなんだけど、自分の生活にどうつながるんだろう」とモヤッとすることがありませんか。現地の歴史や文化の話も、少し距離があるとただの雑学で終わってしまう。僕も旅の本を読むたびに、知らない世界に触れるおもしろさと、自分の感覚とつながらないもどかしさの間を行ったり来たりしています。 『食べ歩くインド 北・東編』に載っている、ムガル帝国のルーツや中央アジアからの食文化の流れを追うくだりを読んだとき、そういう距離感が少しだけ縮まった気がしました。例えば、デリーの街角にあるHaji Shabrati Nahariwale の料理が、中央アジアやペルシア、さらにイギリスまで巻き込んだ歴史の積み重ねで生まれている、と知るだけで「知らない料理」から「自分の生活の延長にある風景」へゆっくり変わっていく感じがあります。単に料理を紹介しているだけではなく、地図を片手に街を歩きながら、人の移動や時代の変化で味がどう形づくられてきたのかが腑に落ちるんです。 もう一つよかったのは、異国の料理を理解しようとするときに、無理に体系化しようとしなくていいと気づけたことです。歴史や宗教、移民、交易……いろんな要素が重なっているから、きれいに説明できなくて当たり前。そう思えるだけで「知らないものに出会うときの構え」がちょっと楽になりました。旅が好きな人だけじゃなく、「自分の世界の外側にあるものとどう向き合えばいいか悩んでいる人」にも静かに効いてきます。 とくに、食を通して異文化の成り立ちを掘り下げるのが好きな人には刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
読書の順序
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