
「縄文」の新常識を知れば日本の謎が解ける (PHP文庫)
関 裕二
PHP研究所 / 2021-09-09
この本について
最近、「なんで自分たちの価値観ってこんなに揺れ続けるんだろう」とか、「日本ってどこに軸がある国なんだろう」と考え込むことが増えました。近代化や効率化の波に押されながらも、どこかで立ち止まってしまうあの感じ。自分だけの問題じゃないのかもしれないと思わせてくれたのが、この本でした。 読んでいて一番刺さったのは、縄文と弥生、古代と近代をきっぱり分けて理解しようとするほど、逆に見えなくなるものがあるという視点でした。たとえば、近代日本が天皇を「唯一の正義」に仕立てたとき、そこには縄文以来の多神教的な感覚から外れたズレがあったという指摘。あるいは、弥生の入れ墨文化の背景をたどると縄文に連続していて、「断絶ではなく、曖昧で重層的なつながり」が日本の本来の姿だという話。こういう見方を知ると、自分が抱えていた「どの価値観を信じればいいのか」というモヤモヤが、少し扱いやすくなる気がします。 また、縄文人が稲作を前に「豊かになるけど幸せかはわからない」とためらった、という描写がやけにリアルでした。効率や成果が正しいと言われても、どこかで立ち止まってしまう自分たちと重なる。そう考えると、日本が近代化を成し遂げながら多神教的な感覚に戻っていくのも、ただの矛盾ではなく「元から持っていた回路が働いただけ」と見えてきます。 歴史を知りたい人よりも、「自分の感覚が時代遅れなのか、それとも根っこに理由があるのか」を確かめたい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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