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小隊 (文春文庫)

小隊 (文春文庫)

砂川 文次

文藝春秋 / 2022-05-10

累計読者数5
平均ハイライト数 12.6件/人
推定読了時間 約3時間11分
star総合評価 33/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 11%

この本について

仕事でも日常でも、気持ちがついてこないまま“やるべきこと”だけが勝手に進んでいく時ってありませんか。状況はよく分からないのに、決めごとや役割だけが積み上がって、気づくと身体だけが動いている。感情が置いていかれるあの感じに、ぼく自身ずっとモヤモヤしていました。 『小隊』を読んで刺さったのは、そのズレが極限状況の中で淡々と描かれているところでした。戦闘の恐怖でも英雄的な使命感でもなく、「質問」とだけ言って会議が進む組織の慣性とか、戦況が深刻なのに外の世界は普通にラジオが流れている温度差とか、義務だけが身体を動かしていくあの“現実の重さ”。読んでいると、僕らの日常にある小さな混乱や不安が、少し違う見え方をしてきます。逃げたくなる気持ちも、役割に従うしかない瞬間も、どちらも“変な自分”じゃないんだと静かに腑に落ちる感じがあるんです。 特に、隊員たちが怖さを打ち明けて笑い合う場面や、名前のなかった「敵」が急に実体を帯びて現れてくる瞬間は、自分の中の曖昧な感情にも輪郭ができるようでした。状況が制御できなくても、次の一歩だけは自分が踏み出している。そんな当たり前のことを、戦争小説というより“現実の記録”のような質感で思い出させてくれます。 日常の中で「判断できないまま動いている気がする人」に、そっと効く一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

★「ブラックボックス」で芥川賞を受賞した作家の衝撃作&デビュー作が合本に。 ロシア軍が北海道に上陸。自衛隊の3尉・安達は敵を迎え撃つべく小隊を率いて任務につく。避難を拒む住民、届かない敵の情報、淡々と命令をこなす日々——。そんな安達の”戦場”は姿を現したロシア軍によって地獄と化す。「自衛隊の戦争」を迫真のリアルさで描く表題作ほか、元自衛官の芥川賞作家による戦争小説3篇。 【収録作】 「小隊」(第164回芥川賞候補) 「戦場のレビヤタン」(第160回芥川賞候補) 「市街戦」(第121回文學界新人賞受賞) ※この電子書籍は、2019年1月刊行の単行本『戦場のレビヤタン』、2021年2月刊行の『小隊』、「市街戦」を収録した文庫版を底本としています
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