
ブルシット・ジョブと現代思想 (THINKING「O」)
大澤真幸 and 千葉雅也
この本について
仕事をしていて、「これ、誰の役に立ってるんだろう…」と不意に冷める瞬間ってありますよね。周りのノリに合わせて、とりあえず動いているだけの自分に気づいてしまうと、急に世界が色あせて見える。でも、そこからどう抜け出すかとなると、また足が止まる。そのモヤモヤに、この本はかなり丁寧に向き合ってくれます。 印象的なのは、「周りから与えられたノリ」からいったん距離を取ることで、自分が本当にこだわってしまう対象=享楽が見えてくる、という視点です。いまの仕事がつまらないとか、ブルシットなんじゃないかと感じるとき、それは怠け心ではなく、殻が少し割れ始めているサインかもしれない。また、勉強することそのものが自分の世界を揺らす行為として語られていて、知的な負荷がしんどいと感じる理由が腑に落ちました。頭だけを進ませる近代的な思考ではなく、魂ごと変わるプロセスとしての「学び」を捉え直す感覚が新鮮です。 ブルシットからの離脱も、劇的な転職や環境変更ではなく、自分の内側にある配線のねじれやこだわりに目を向けるところから始まる。その穏やかな指摘が、個人的には救いでした。 仕事に意味を見いだせない時期が続いている人、そして「周りの空気から一歩外に出たい」と思いながら動けない人に、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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