
下り坂のニッポンの幸福論
内田樹 and 想田和弘
この本について
仕事でも人間関係でも、「なんか違う」「このまま慣れてしまったら大事なものが削れていく気がする」という感覚ってありますよね。でも日々の忙しさに押し流されて、その違和感をちゃんと扱う余裕がないまま進んでしまうことも多いと思います。組織のルールに従いながらも、自分が何に疲れているのかよくわからない…そんなときに、この本がじわっと効きます。 内田樹さんと想田和弘さんの対話は、派手な答えをくれるわけじゃないんですが、「あ、自分が感じていた息苦しさって、こういう構造だったのか」と整理されていく感じがあります。たとえば、無意味な校則やブルシット・ジョブに人が消耗する理由を「能力」ではなく「無意味耐性」で説明してくれたり、誰と話すと自分の思考が活性化するのか、その基準を身体感覚で捉えていいんだと示してくれたり。頭で考えるというより、ずっと曖昧だった自分の実感が言語化されていくような読書体験でした。 もうひとつ印象に残るのは、「まず自分が満ちていることが平和への最初の一歩」という話です。瞑想や循環する時間の感覚はスピリチュアルではなく、むしろ日常の選択をどう軽くしていくかという実用的な視点として語られています。忙しさを誇る空気や、耐えた人だけが評価される仕組みに違和感がある人には、かなりしっくり来るはずです。 組織や社会に疲れつつ、「とはいえ急に全部を変えるのも現実的じゃない」と思っている人に、ちょうどいい距離感で寄り添ってくれる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
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