
君の地球が平らになりますように (ジャンプジェイブックスDIGITAL)
斜線堂有紀
累計読者数3
平均ハイライト数 6.3件/人
star総合評価 42/100
boltライト読書型
この本について
人間関係って、相手の「信念」や「温度」に触れた瞬間に、自分でも思っていなかった感情が揺れますよね。好かれていると思ったのに、それは自分の魅力じゃなくて、ただの思い込みだったと気づく時とか。あるいは、相手の世界に踏み込みすぎて、いつの間にか自分の方が消耗していたり。わかっていても、距離の引き方はいつもむずかしいままです。 『君の地球が平らになりますように』は、そんな「感情のずれ」を真正面から扱っている小説です。読者が抜き出していたのも、まさにその痛いところで、例えば愛情を時間で測るリアルさや、信念を変えられなかったショックに気づく瞬間。あるいは、相手の芯のある信仰をお伽噺みたいに扱ってしまった罪悪感。こういう描写が刺さる人は、きっと誰かとの関係で何度か心がきしんだ経験があるはずです。 この作品が効くのは、まず「相手の世界を自分の都合で解釈してしまう怖さ」が具体的に描かれているところ。次に、愛情や執着の重さが、ドラマチックではなく生活の温度で描かれるところ。さらに、ずるりと内臓がズレるような違和感を言語化してくれるので、自分の中の説明できなかった感情に輪郭が出るところです。 刺さるのは、「誰かとの関係で心の位置が何度もズレたことがある人」。派手な恋愛物語ではなく、相手の呼び方ひとつで胸がざわつくような、あの細かい痛みに覚えがある人には、とても静かに沁みてきます。
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