
こゝろ (角川文庫)
夏目 漱石
平凡社 / 2005-08-10
累計読者数3
平均ハイライト数 4件/人
推定読了時間 約4時間23分
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 52%
この本について
人間関係って、距離の取り方がむずかしいなと思うことがありませんか。大事に思っている人ほど、いずれ誤解されたり、裏切られたりする未来を勝手に想像して、いま素直に尊敬したり甘えたりできなくなる…そんな自分に気づいてしんどくなる時があります。 『こゝろ』を読み返すたび、あの「未来の侮辱を受けないために、今の尊敬をしりぞけたい」という告白が妙に胸に残ります。自分の弱さを認めきれないまま距離を置いてしまう気配や、幸せなはずなのにどこか不安を抱えた夫婦の描写など、きれいごとでは片付かない心の揺れがそのまま置かれている感じがするんです。また、父の言葉を「田舎臭い」と切り捨ててしまう若い自分の未熟さも、振り返ると痛いほど分かる。人をどう見ているかで、自分の寂しさの形が変わってしまうことを改めて思い知らされます。 この物語が効いてくるのは、かっこつけずに他人と向き合うことに少し疲れたときや、自分の中の小さな嫉妬や不安をごまかせなくなったときだと思います。誰かを大切に思うほど、逆に怖くなるあの感覚を知っている人には、静かに刺さるはずです。 「気持ちの整理より、正しさに寄ってしまいがちな人」にとって、自分の心の奥で何が起きているのかを見つめるきっかけになる一冊だと思います。
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出版社による紹介
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 欧化政策、村共同体の崩壊、新しい価値観の波-。現代にも似た転換期の日本、明治後期という時代を、「先生」も「私」も「K」も、それぞれの立場で必死に生きました。その心の揺れ、やむにやまれぬ行為の中にこそ、今をより深く生きるための、思いがけない光が潜んでいます。再読・精読の至福のうちに、どうかそれに出会ってください。漱石の「こゝろ」を、私たちはこれまで、ほんとうに、読んだといえるのだろうか。
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