
こころ(新潮文庫)
夏目漱石
やのまん / 2009-04
累計読者数4
平均ハイライト数 8.8件/人
推定読了時間 約9時間6分
star総合評価 44/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 22%
この本について
人と深く関わりたいのに、いざ距離が近づくと急に怖くなって引いてしまうことってありませんか。相手を大事に思っているはずなのに、どこかで「自分なんかが踏み込んでいいのか」と迷ってしまう。頭では動きたいのに、心がブレーキを踏む。そんな感覚を抱えたまま大人になった人は、多い気がします。 漱石の『こころ』に出てくる“先生”も、まさに同じ場所でもがいている人です。愛したいのに抱きしめられない、自分を責めすぎて他人との距離を測れない、過去の選択に囚われて一歩が出ない。読者が抜き出している部分を見ると、この矛盾した気持ちに強く反応しているように思います。特に「淋しい今を我慢する」「価値のないものだから止せ」という言葉は、自己嫌悪と他者への渇望が同時に存在する、あの複雑な痛みに触れてきます。 この本が効くのは、誰かの行動原理を“綺麗に説明”するためではなく、他人の心の中に潜む暗がりを覗き込むことで、自分の中にも同じ影があると気づけるところです。恋や友情における微妙な温度差を、ただの弱さとして片付けず、「人間ってこういうふうに揺れるものなんだ」と少しだけ受け止められるようになる。その変化が起きると、自分の感情にも以前より丁寧に向き合えるようになります。 こういう揺れを抱えたまま人と関わろうとしている人に、静かに刺さる一冊です。
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出版社による紹介
夏目漱石自身が人間の“こころ”をとらえたと自負し、読み手の“こころ”によって解釈が変容する日本文学の最高峰。
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