
草枕
夏目 漱石
新潮社 / 1950-11-28
累計読者数36
平均ハイライト数 8.9件/人
推定読了時間 約2時間37分
star総合評価 56/100
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この本について
仕事でも人間関係でも、気づくと「自分の感情に振り回されてばかりだな…」と思うことがあります。頭では距離を置きたいのに、いざ目の前の出来事に巻き込まれると、客観視なんてどこかへ飛んでいく。そんなときに『草枕』を読むと、少しだけ呼吸の位置が変わる感覚がありました。 漱石が描く「非人情」の姿勢は、冷たく突き放すのとは違って、感情から一歩だけ下がるための足場のように見えます。旅先の出来事や出会う人々を芝居のように眺める感じ方や、自然を前にしたときだけ自分が軽くなる感覚は、日常の渦中にいると忘れがちな“第三者の位置”を思い出させてくれます。たとえば、苦しい感情をそのまま材料として観察してみる姿勢や、景色を画として受け取る視線は、現実逃避ではなく、いったん自分をゆるめる工夫としてすごく実用的です。 読み進めるほどに「常識の四角を一つ削って、三角の世界に住んでみる」という比喩が、意外と日常でも役に立つと気づきます。しがらみや利害から離れたいけれど、全部捨てるのは現実的じゃない……そんな人にちょうどいい距離感です。 「感情と距離をとる練習をしたい人」に、そっと効いてくる一冊だと思います。
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出版社による紹介
住みにくい人の世を芸術の力で打破できぬかと思案する青年画家。あるとき温泉場の出戻り娘・那美に惹かれ、絵に描きたいと思うが何か物足りない。やがて彼が見つけた「何か」とは――。豊かな語彙と達意の文章で芸術美の尊さを描く漱石初期の代表作。(「漱石の文学」江藤淳、「『草枕』について」柄谷行人)
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