
虞美人草
夏目 漱石
新潮社 / 1951-10-29
累計読者数6
平均ハイライト数 34件/人
推定読了時間 約5時間38分
star総合評価 74/100
menu_book精読型
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この本について
仕事でも人間関係でも、相手の言葉の裏を読みすぎて疲れることがありませんか。自分の気持ちがどこにあるのか分からないまま、流されるように動いてしまう日もあると思います。僕も同じで、判断に自信がなくなるときほど、周囲の声に振り回されがちです。 『虞美人草』を読むと、その揺れそのものが妙に立ち上がって見えてきます。登場人物たちはみんな、理屈よりも「真面目になれるかどうか」で生き方が変わる。誰かの一言に迷い、距離の取り方に戸惑い、「それでいいのか」と自問し続ける。その不安の粒が、抽象ではなく場面で突きつけられるので、こちらの曖昧さにも輪郭が出てくる感覚がありました。たとえば、相手を信じるしかない場面の心細さや、過去に追われて未来に逃げたくなる瞬間の情けなさ。そこに妙な誠実さが宿っていて、自分の迷いにも少しだけ風が通る気がします。 華やかな言葉よりも、誰かの「そうでしょうか」としか返せない不器用さに寄り添いたい人。そんな人に静かに効く一冊だと思います。
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出版社による紹介
大学卒業のとき恩賜の銀時計を貰ったほどの秀才小野。彼の心は、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾と、古風でもの静かな恩師の娘小夜子との間で激しく揺れ動く。彼は、貧しさからぬけ出すために、いったんは小夜子との縁談を断わるが……。やがて、小野の抱いた打算は、藤尾を悲劇に導く。東京帝大講師をやめて朝日新聞に入社し、職業的作家になる道を選んだ夏目漱石の最初の作品。(解説・柄谷行人)
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