
硝子戸の中
夏目 漱石
オリオンブックス / 2015-10-24
累計読者数6
平均ハイライト数 4.5件/人
推定読了時間 約43分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 34%
この本について
忙しい日が続いてくると、自分の気持ちをうまく整理できないまま、ただ外から入ってくる情報に振り回されてしまうことがあります。誰かと話す時も、必要以上に身構えてしまって、本音を出す前に疲れてしまうこともあると思います。わたしもそうで、相手にどう見られるか気にしてばかりで、結局なにも伝わらなかったな…という日がよくあります。 夏目漱石の『硝子戸の中』を読んでいると、そんな自分の過敏さや不器用さを、少しだけ遠くから眺められるような感覚がありました。たとえば、他人に恥をかくのを恐れるあまり本当の自分を隠してしまう気持ち。その一方で、時間がゆっくり傷を癒すという事実への静かな信頼。あるいは、教える側と教わる側が実は同じように自分を開く必要があるという視点。これらは特別な結論ではないのに、生活のどこかで忘れてしまいがちなことばかりで、読みながら自分の日常と地続きでつながる感じがしました。 大きなエピソードで動かすタイプの本ではありませんが、ものごとがすぐに整わない自分を責めがちな人にとっては、心の呼吸を取り戻すきっかけになると思います。感情と理屈の両方を抱えたまま生きている人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
「硝子戸の中から外を見渡すと、霜除けをした芭蕉だの、赤い実の結(な)った梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼につくが、その他にこれといって数え立てるほどのものはほとんど視線に入ってこない。」胃の大病を患って外出もままならない漱石が、書斎の中で静かに人生と哲学を語った漱石最後の随筆集。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
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