
斜陽
太宰 治
角川書店 / 1950
累計読者数41
平均ハイライト数 7.1件/人
推定読了時間 約3時間43分
star総合評価 46/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%
この本について
最近、うまく立ち振る舞おうと気取ってみたものの、どこか空回りしたり、頑張っても誰にもわかってもらえない気がしたりしませんか。私もそういう時期が続くと、何を拠り所にして生きていけばいいのかよくわからなくなります。そんなときに読み返したのが『斜陽』でした。救われる、というより、「ああ、こういう感情を抱えていいんだ」と静かに許される感じがあるんですよね。 太宰の人物たちは、みじめさや弱さをごまかさずにさらしてしまうから、自分の心の奥で密かに感じていたものが、そのまま言葉にされているように思えます。たとえば、人の生活の大半は“待つこと”でできているというあの一文は、焦る日々を少しだけ俯瞰させてくれますし、「不良とは、優しさのことではないかしら」という視点は、自分や他人の曖昧な部分を決めつけずに受け止める余裕をつくってくれます。そして、「生き切ることは、やりきれない大事業」という言葉に触れると、今日をなんとかやり過ごしているだけでも十分だと感じられてくるんです。 きれいに前向きに整えた言葉では届かないところに刺さるので、表面的な励ましより“正直な感情”に寄り添われたい人に向いています。悩みの出口を示すというより、迷っている自分を否定しないまま歩き続けるための体温をくれる一冊だと思います。
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出版社による紹介
「私生児と、その母、けれども......古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生き」ていく一人の女。結核で死んでいく「日本で最後の貴婦人」のその母。自分の体に流れる貴族の血に反抗しながらも、戦い敗れて、宿命的な死を選ぶ弟。生家の没落をきっかけに日本版「桜の園」を描こうとした作者が、昭和22年、死の一年前に発表した作品。この作品で、作者の名は決定的なものとなった。
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