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杜子春

杜子春

芥川 竜之介

グーテンベルク21 / 2007-12-01

累計読者数3
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約1時間43分
star総合評価 37/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%

この本について

仕事でも人間関係でも、うまくいっている時だけ周りがやさしくて、少しつまずいた途端に空気が変わる。そんな経験があると、「人間って結局こういうものなのかな」と、どこか冷めた気持ちが残ったりします。頭では割り切っていても、心のどこかがざらついたまま動けないことってありますよね。 『杜子春』を読むと、そのざらつきの正体を少しだけ見つめ直せます。杜子春が「人間というものに愛想がつきた」と言い放つ気持ちは、共感する人も多いと思うんです。でも物語が進むにつれ、弱り切った母の姿を前にして、彼の中の何かがふっと溶ける瞬間があります。お金や立場で変わる世間と、どんな状況でも変わらない誰かの思い。その対比が、こちらの目線まで静かに揺らしてくるんですよね。 もう一つ、この物語が効くのは「どう生きればまっとうなんだろう」という迷いに対してです。人の冷たさに疲れて山に籠もるのでもなく、悟りを開こうと背伸びするのでもなく、最後に杜子春が選ぶのは「正直に暮らす」という、ごく普通だけれど難しい落としどころ。その感じが、変に気張らずに、自分の生活のサイズに戻してくれるようなところがあります。 世間に少し疲れた時、あるいは距離を置きたくなった時にこそ読める一冊です。こんな人に刺さると思います。周りに失望したまま立ち止まっているけれど、心のどこかではまだ人を信じたい人へ。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

平凡な暮らしの幸せを説く表題作のほか、「妖婆」「魔術」「蜜柑」「鼠小僧次郎吉」「舞踏会」「南京の基督」の7編を収録。
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