
タイタン (講談社タイガ)
野﨑まど
この本について
仕事って何なんだろう、とか。人にどう見られているか気にしすぎて疲れる、とか。AIに判断を任せる場面が増える中で、自分の「思考」ってどれくらい残っているんだろう、とか。日々の生活のどこかでふと立ち止まる瞬間、ありますよね。僕も同じで、答えが見えそうで見えないまま、ずっと曖昧なまま抱えている感覚があります。 『タイタン』は、その曖昧さをいきなり解決してくれる本ではないんですが、視点を少しだけ前にずらしてくれる作品でした。たとえば「仕事とは影響すること」という語りは大げさな教えじゃなく、誰かに何かを渡した瞬間にだけ仕事が成立する、という手触りに落ちてきます。自分の役割って結局どこにあるのか悩んでいる時に、過剰に励まされるわけでもなく、ただ「そう感じる理由」を一緒に考えてくれる感じが心地よかったです。また、人にどう見られるかと自分がどう思うかの配分を探す話は、ファッションの話のようでいて、日常の対人関係そのものでもあって、極端な答えに逃げなくていいんだと少し楽になります。 さらにAIとの距離感の描き方も現実に近く、判断を手放していく心地よさと怖さの両方が、そのまま自分の生活に引き寄せられるんですよね。何を任せて、どこから先は自分で考えるのか。作中のやりとりが、自分の中の基準をそっと探し直させてくれます。 自分の「仕事」や「役割」や「判断」を、一度フラットに捉え直したい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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