
社会関係資本——現代社会の人脈・信頼・コミュニティ
ジョン・フィールド, 佐藤 智子, 西塚 孝平, 松本 奈々子, and 矢野 裕俊
明石書店 / 20221116
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この本について
仕事でも生活でも、人とのつながりが大事だと頭では分かっているのに、実際はその“つながり”がどう機能しているのかよく掴めないまま、なんとなく不公平さだけ感じてしまうことってあります。自分だけ入口が見えないような感覚というか、「人脈って結局どういう仕組みで力になるんだろう」とモヤモヤする瞬間があると思います。 この本は、そのモヤモヤを感覚論ではなく構造として見える形にしてくれるところが助かりました。ネットワークがそもそも資産として扱われる理由や、同じ「つながり」でも特権階級を押し上げ、不利益層をさらに隘路に追いやる働きがあることまで丁寧に描かれています。さらに、昔の共同体的なつながりと現代の複雑な社会におけるつながりがどう違うのか、デュルケームの連帯の話が意外と現代の実感に近くて、立ち止まるきっかけをくれました。教会のように意図的に構築されたコミュニティの例もあって、「自然な人脈」と思っていたものに別の角度が差し込まれます。 人づきあいに苦手意識がある人よりも、「自分の立ち位置や環境がどう作用しているのか知りたい人」に刺さるタイプの本です。読み終える頃には、人脈を増やそうと躍起になるより、まず“どんな構造の中に自分が置かれているのか”を見る方が近道だな、と静かに思わせてくれます。
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出版社による紹介
社会の格差はどこからくるのか? それを克服する展望は? 人々の関係性に着目してこの問題に接近する「社会関係資本」概念。この概念を起源から紐解き、人脈や信頼が持つ正と負の影響力、デジタル時代の新たな動向も踏まえ、この概念の全体像を描き出す入門書。
目次
はじめに
第1章 概念の起源
ピエール・ブルデュ
ブルデュの限界
ジェームズ・コールマン
コールマンの限界
ロバート・D・パットナム
パットナムの限界
社会関係資本の古典がもたらしたもの
第2章 人脈の力
社会関係資本と教育
経済領域の人脈
健康とウェルビーイングに対する効果
犯罪と逸脱
概念の洗練――互酬性と信頼
概念の細分化に向けて
第3章 隘路の散策
社会関係資本と不平等
同質性と多様性
社会関係資本の逆効果
社会関係資本の隘路
第4章 インターネットは社会関係資本を破壊するのか
パットナムの命題――コミュニティの崩壊
SNSは社会関係資本を壊しているのか
液状化する社会の社会関係資本――縛られない友人関係へ
第5章 社会関係資本の政策と実践
社会関係資本のための政策を開発する理由
社会関係資本の測定
社会関係資本のための政策実施
政府は社会関係資本を生成できるか
おわりに
訳注
解説
訳者あとがき
参考文献・資料
索引
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