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〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと (岩波現代文庫)

〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと (岩波現代文庫)

坂口 ふみ

岩波書店 / 2023-01-13

累計読者数3
平均ハイライト数 3件/人
推定読了時間 約4時間41分
star総合評価 46/100
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この本について

最近、「自分って何者なんだろう」とか、「個を大事にって言われても、何を拠りどころにすればいいのか分からない」というモヤモヤを抱えている人、多い気がします。僕自身もその沼に落ちることがあって、考えれば考えるほど“個ってそもそも何だっけ”と行き止まりにぶつかります。 この本が面白いのは、その行き止まりをいきなり突破するんじゃなくて、むしろ“個は最初からポジティブに語れないものだった”という視点から始めてくれるところです。ソクラテスがソクラテスである、という当たり前すぎる事実さえ言語ではつかみきれない、という話はけっこう衝撃で、自分が抱えてきた「言葉にできない部分」の正体に少し触れた感じがしました。また、敏感さが時に罪悪のように感じられる一方で、そこが才能と隣り合わせだという指摘も、日々の自己否定をほんの少しだけ緩めてくれます。さらに、受肉や皇帝像のような宗教思想が、実はギリシア哲学との長い接点の中で形づくられてきたことを知ると、自分の悩みがいまの時代だけのものじゃないと腑に落ちてきます。 自分という存在の輪郭が曖昧に感じるとき、焦って答えを作ろうとするより、こういう歴史の積み重ねの中に身を置いてみると、考え方の余白が広がる気がします。特に、敏感さや“個であること”に息苦しさを感じている人に刺さる一冊だと思います。

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出版社による紹介

イエスの隣人愛の思想がその死後ギリシア・ローマの哲学的言語によって教義化されていく過程で,新たな存在論が作り出された.個の個的存在性(かけがえのなさ)を指し示す概念を中心とするこの存在論が古代末期から中世初期に東地中海世界の激動のうちで形成された次第を,哲学・宗教・歴史を横断し伸びやかな筆致で描き出す.(解説=山本芳久)
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