
ゆる古代ギリシア哲学入門 クセつよ逸話で学ぶ31人 (中公新書ラクレ)
ネオ高等遊民
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この本について
最近、自分の考えが本当に“自分のもの”なのか分からなくなる瞬間がよくあります。肩書きが強い人の意見に引っぱられたり、観察したつもりの事実が、あとから思い込みだったと気づいたり。頭ではフラットに考えたいと思っているのに、実際には見たいものだけを「ある」とし、都合の悪いものを「ない」ことにしがちです。 この本が面白いのは、そんな現代的なモヤモヤに、紀元前の哲学者たちが意外な角度からツッコミを入れてくるところです。たとえば、奴隷でも敗者でも“理があれば通る”という論証の考え方は、立場より内容を見たいときの心の支えになりますし、観察より論理を重んじるパルメニデスの姿勢は、「自分の認識は案外ゆらぐものだ」と気づかせてくれます。さらに、博識をあえて疑うヘラクレイトスのように、「知っているつもり」の境界線を揺らしてくる人物もいて、自分の思考の癖が見えてくる感覚があります。 歴史的な正しさよりも、彼らが何を見て、何に迷い、どう考えたのかを追いかける本なので、身構えず読めます。むしろ、日々の判断に小さな違和感を抱えている人ほど、ふっと視界が開ける場面が多いと思います。こんな人に刺さる本です。
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