
技術革新と不平等の1000年史 下
ダロン アセモグル, サイモン ジョンソン, 鬼澤 忍, and 塩原 通緒
早川書房 / 2023-12-20
この本について
最近、仕事でテクノロジーに振り回されている感覚が強い人、多いんじゃないでしょうか。自動化が進むのはいいとして、その裏側で「なぜか自分の裁量がどんどん削られていく」とか、「効率化のためのツールが、むしろ監視っぽく感じる」とか。自分もそこにうっすら不安があって、この本を読みました。 『技術革新と不平等の1000年史 下』は、AIやデジタル化の現場で起きている違和感を、歴史と構造の目線から説明してくれます。たとえば、企業が自動化に偏りすぎると生産性が上がっても労働者に届かないこと、逆に「人の仕事を増やすタイプの技術」を選んだ産業では、待遇もスキルも伸びやすかったこと。現場のモヤモヤを、単なる気のせいではなく「方向性の問題」として捉え直せるのが大きかったです。さらに、テスラの自動化失敗や日本企業が人の強みを残した理由など、抽象論に逃げない具体例が多くて、今の仕事にどう関わるかが想像しやすいところも救いでした。 テクノロジーが怖いわけじゃない、ただ“どんな使い方をするか”で未来が変わる。その視点を持ち直したい人に刺さる本だと思います。自分と同じように、現場と未来の間で揺れている人には、かなり手触りの良い一冊です。
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