
仕事 (講談社学術文庫)
今村仁司
CEメディアハウス / 2021-10-30
この本について
仕事に向かう気持ちが日によって全然ちがう、という人は多いと思います。私も、同じ業務をしているだけなのに「今日は妙に重いな」と感じる日があります。やる気の問題というより、自分がやっていることをどう捉えているのか、その輪郭がぼんやりしたまま積み上げてしまった結果なのかもしれません。 今村仁司『仕事』は、その「ぼんやり」に少し風を通してくれる本でした。読者が保存していた抜粋にもあるように、この本はまず“仕事”と“労働”をきっちり分けて考えます。ここが効くポイントで、私たちが日常で混ぜてしまっている概念をほどくことで、何に疲れているのか、何に期待しすぎているのかが整理されていきます。また、労働に過大な期待を乗せることで認識がくもる、という指摘は、自分の焦りや義務感の正体を落ち着いて見つめ直すきっかけになります。さらに、社会の中での「役割」と、個人としての「仕事」が必ずしも一致しないという観点も、普段の葛藤を説明してくれるようでした。 こういう本は、読んだからすぐ明日から軽くなる、というタイプではありません。でも、日々の仕事をどう扱うかの基準が一段深くなるのは確かで、「自分は何に振り回されていたんだろう」と気づく瞬間があります。日常のメンタルを整える道具というより、地図の描き方そのものを変える本に近いです。 仕事に対して名前のつかないモヤモヤを抱え続けている人には、とても静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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