
サイレント・ウィッチ VIII 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS)
依空 まつり and 藤実 なんな
累計読者数3
平均ハイライト数 82.7件/人
star総合評価 65/100
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この本について
最近、誰かの「正しさ」に巻き込まれて、自分の判断が分からなくなる瞬間ってありませんか。守りたいものがあるほど身動きが取りづらくなって、どこまでが自分の意志で、どこからが役目なのか、混乱してしまうというか。今回の『サイレント・ウィッチ VIII』の抜粋を見ていると、そういう迷いに静かに向き合わせてくれる場面が多いな、と感じました。 登場人物たちは、誰もが何かを背負いすぎているんですよね。自分の正しさと他人の正しさがぶつかって苦しくなる場面、取り返しのつかない選択を前にして、それでも前に出るしかないと覚悟する瞬間、あるいは大切な人の願いを「どう受け継ぐか」で揺れる時間。読んでいる側も自分の中の葛藤を引っ張り出されるのですが、それが不思議とつらいばかりではなくて、「迷っていいし、迷いながら選んでもいい」と言われているような感覚が残ります。 とくに、誰かのために動くことでしか自分の価値を測れなくなってしまう時、モニカやアイザックの選択の積み重ねは、小さく息をつける場所をくれます。傷だらけの人物たちが、それでも自分なりの答えに手を伸ばしていく姿を追っていると、物語でありながら、自分の生活にそっと戻ってくる視点が増えるんですよね。 「正しさと責任のあいだで立ち止まりがちな人」に特に刺さる巻だと思います。自分の選択を抱え直したい時に、静かに効いてきます。
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