
レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和 (中公新書)
黒田祐我
累計読者数3
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star総合評価 59/100
start序盤集中型
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この本について
仕事でも歴史でも、「結局どこからどこまでが物語で、どこからが現実なのか」が分からなくなることがあります。特に誰かが都合よく作ったストーリーをそのまま信じてしまうと、判断を誤るな…と最近よく思います。そんなときに読んだのが『レコンキスタ』でした。 この本が面白いのは、イベリア半島の800年を「英雄叙事詩」としてではなく、当時の人々が抱えていた利害や不安、居場所の揺らぎから描きなおしてくれるところです。読者の抜粋にあるように、ターイファ諸王が「異教徒への納金頼み」で国内から批判されていく姿とか、グラナダが粛々と包囲されていく過程とか、勝者が後世に残した“都合のいい語り”と現実のズレがじわじわ見えてくる。レコンキスタという大きな言葉の裏で、実際には大量の移住や小競り合い、場当たりの同盟が積み重なっていたのだと分かると、歴史の捉え方がかなり変わります。 個人的に助かったのは、歴史が「一本の物語ではなく、諸勢力が綱引きし続けた結果の集合体」と理解できるようになることでした。自分の仕事でも、強い物語に引っ張られて判断しそうになる局面があるのですが、この本を読むと一歩引いて状況を見直せる感覚があります。 物語として綺麗にまとまらない歴史を知りたい人、あるいは“語り”に振り回されがちな人には特に刺さると思います。
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