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金利を考える (ちくま新書)

金利を考える (ちくま新書)

翁邦雄

筑摩書房 / 20241010

累計読者数3
平均ハイライト数 3件/人
star総合評価 47/100
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この本について

金利ってニュースではよく聞くのに、実生活では「だから何が起きるのか」がつかみにくいまま放置してしまうことが多いですよね。景気がどうなるとか、円安が続くとか、株価が上がった下がったとか、断片的な情報だけが流れてきて、つながらないままモヤモヤが積もっていく感じ、僕もずっとありました。 この本が良かったのは、そのモヤモヤを「金利ってそもそも何のシグナルなのか」という原点に戻して整理してくれたところです。たとえば、缶ビールみたいに需要と供給で値段が決まる“わかりやすい価格”とは違って、金利には必ずしも純粋な価格シグナルを期待できない、という指摘。ここを押さえるだけで、金利を景気の“占い”だと思って振り回される感覚がかなり薄れました。また、市場がすべて正しく織り込むわけではないという効率的市場仮説の限界や、価格裁定取引がどんなふうに世界の資金を動かしているのかを淡々と説明してくれるので、為替や株価の動きが少し現実の風景として見えてきます。 さらに、長期金利が「未来の短期金利の平均+ターム・プレミアム」でできているという構造が腑に落ちると、ニュースで“長期金利が上昇”と聞いたときに、そこに込められた期待や不安がどの方向を向いているのか、前よりも冷静に読めるようになりました。イールドカーブの話も、投資のためというより、経済をどう眺めればいいかの視点として役に立つと思います。 市場を完全に読みたい人よりも、「経済ニュースの断片をつなげて理解したい」と感じている人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

住宅ローンや消費者金融、銀行預金に個人向け国債。私たちの身の回りには「金利」があふれている。「低金利だから円安になる」「金利を上げると不景気になる」といったニュースも、毎日のように聞こえてくる。これらの「金利」は。お互いにどんな関係があって、それぞれの金利はなぜ/どうやって決まるのか。金利が動くと私たちの生活に何が起きるのか。金融政策の第一人者が、身近な事例をもとに根本から解き明かす。お金と社会を見る目が変わる、実践的経済学の書。 2024年8月に起きた史上最大の株価下落と金利の関係をひもとく「金利引き上げと株価暴落」を収録。

目次

第一章 金利を上げ下げする力はどこから来るのか 1 プロローグ 2 「金利」とは何か・どう決まるのか 3 いろいろな金利はどう関連しているのか 補論 金利政策の理論的支柱としての現代マクロ経済学 第二章 金利はなぜ「特殊な価格」なのか 1 ミクロ経済学からみた金利の特殊性 2 家計にとっての金利はどう決まっているか 補論 社会規範からみた金利の位置づけ 第三章 消費者金融の金利は高すぎるのか低すぎるのか 1 消費者金融の金利 2 苛酷な取り立てがもたらした社会規範の変化 3 グレーゾーン金利解消の副作用は大きかったか? 補論 高利だが安全な質屋金融はなぜ衰退したのか 第四章 住宅ローンの金利は上がるのか下がるのか 1 日本における住宅ローン金利の選択肢 2 金利リスクが破滅的結果をもたらしたサブプライム・ローン問題 3 教訓 ―― 住宅ローンで家計の破綻を避けるために必要なこと 補論 ねずみ講・レッドライニング・略奪的貸出 第五章 金利はなぜ円高・円安を起こすのか 1 固定相場の時代   2 変動相場制と価格裁定・金利裁定 3 為替レートの予測はなぜ当たらないのか 4 為替レートと金利をめぐる不都合な真実 補論 円安・円高は将来の日本の人口構成を変える   エピローグ ―― 金利引き上げと株価暴落
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