
キーエンス流 性弱説経営
高杉 康成
日経BP / 2024-12-07
この本について
仕事で「仕組みを作っても続かない」「人によって基準がブレる」「結局、正しいはずのやり方が回らなくなる」というモヤモヤに何度もぶつかってきました。自分が悪いのか、組織が悪いのか、そもそも “人はそんなに強くない” のか。その辺の線引きがずっと曖昧だったんですが、この本を読んで少し視界がクリアになりました。 特に刺さったのは、著者が何度も繰り返す「中身の妥当性」「それは顧客の意見か、事実か」という視点です。議論が感覚ベースになりがちな時ほど、ここを丁寧に確認するだけで無駄な摩耗が減る感覚があります。また、「仕組み」そのものより「仕組みを動かす仕組み」を先に考えるという発想もかなり実践的でした。日報を1分単位で記入させるだけで終わらせず、上長と監査が二重でチェックする。そこまで設計して初めて、仕組みが運用レベルで意味を持つことを具体的に示してくれます。 そしてもう一つは、人の弱さを前提にするからこそ、不公平感を徹底的に排除するというスタンス。評価指標を複数にする、嘘がつけない構造にする、上司の判断も録画で検証する。こういう地味だけど効く対策が積み重なっていて、「人は弱いから、弱いままでも働ける環境を作る」という考え方が腹落ちしました。 自分でも、仕組みが形骸化してきた時や、判断がぶれそうな時に取り出して読み返したくなる本です。組織づくりやチーム運営で「どうしても現場が続かない」と悩んでいる人には特に刺さると思います。
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