
サラブレッドはどこへ行くのか 「引退馬」から見る日本競馬 (NHK出版新書)
平林 健一
NHK出版 / 2024-12-10
この本について
競馬が好きでレースを追いかけていると、どうしても「引退した馬はその後どうなるんだろう」という疑問がついてきますよね。盛り上がった週末の熱気と、引退後の現実の落差を思うと、うまく整理できないモヤモヤが残る。それでも、詳しく調べるほど問題が複雑で、どこから向き合っていいのか分からなくなることもあります。 この本は、そのモヤモヤを無理に晴らすというより、「引退馬問題ってそもそも何なのか」を、現場の仕組みと人の感情の両方から丁寧に見せてくれます。家畜として生まれた存在が、ファンの記憶や思い入れによって“家畜以上の存在”になる。そのねじれから生まれる違和感を、感傷ではなく構造として捉えているのが、まずひとつ心に残りました。また、寄付の広がりや、ヴェルサイユリゾートファームのような観光やビジネスを組み合わせた新しい取り組みも紹介されていて、「理想論だけでは回らない現実の中で、何が持続可能な形なのか」を考えるきっかけになります。 競馬の売上が世界最大という事実にも触れられていて、私たちが普段楽しんでいるレースの裏に、どれだけ大きな産業が動いているのかも実感できます。その規模を知ることで、引退馬の課題も“個人の善意だけに依存できない”と腑に落ちる人も多いはずです。 競馬が好きで、その先にいる馬たちのこともちゃんと考えたい人には、とくに刺さる一冊だと思います。私自身、悩みながら読む中で、少しだけ視点の置きどころが定まった気がしています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
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