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キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン (角川文庫)

キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン (角川文庫)

長月 天音

累計読者数3
平均ハイライト数 7.3件/人
star総合評価 43/100
boltライト読書型

この本について

仕事に慣れてきたようで、実はずっと迷っている。異動してから自分の強みが分からなくなったり、頑張っているつもりなのに結果が見えなくて落ち込んだり。前向きになりたいけれど、無理やり鼓舞されるような言葉は今はしんどい。そんな時に、この物語の温度がちょうどよかったんです。 『キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン』には、「うまくやれていると思っていたのに、急に何もできない気がして不安になる」とか、「異動先で背伸びして失敗して、自信をなくす」といった揺らぎが、そのままの形で描かれています。読んでいて、自分の情けなさを責めずに済む感じがあるんですよね。丁寧に作られた料理を前に、登場人物が少しずつ視野を広げていく。そのプロセスが、現実の私たちにもそのまま重なってくる。 特に効いたのは、誰かに背中を押される瞬間が「劇的」ではなく、本当に日常の延長として描かれているところです。料理の話をしているうちに、自分ができていることに気づくとか、仕事帰りに寄った場所でふと気持ちが軽くなるとか。頑張れと言われるより、こういう静かな肯定のほうがずっと沁みる日があります。それに、役割が自然と形になっていく場面は、「ああ、自分も今の場所で少しは前に進めているのかも」と思わせてくれる。 仕事で迷子になっている人、異動や環境の変化で自信が揺らいでいる人には、静かに寄り添ってくれる物語だと思います。

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