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増補新版 韓国文学の中心にあるもの

増補新版 韓国文学の中心にあるもの

斎藤真理子

イースト・プレス / 2025-01-17

累計読者数3
平均ハイライト数 22.7件/人
推定読了時間 約4時間28分
star総合評価 58/100
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この本について

最近、ニュースを追っていても歴史の本を読んでいても、「自分はこの国や社会のことをどれだけ理解できているんだろう」とモヤッとすることがあります。いま起きている出来事の重さを前に、言葉をどう扱えばいいのか分からなくなる瞬間もあります。私自身、この戸惑いをごまかせなくなったときに手に取ったのが『韓国文学の中心にあるもの』でした。 この本が効いたのは、まず“語られなかったことが存在してきた社会”の視点を教えてくれたことです。朝鮮戦争やセウォル号、IMF危機…「死が死として扱われなかった歴史」や、「選択の自由がそもそも奪われていた状況」の中で文学がどう言葉を探してきたのかを知ると、いま自分が感じている無力感の輪郭が少しだけはっきりします。また、日本に生きる私たちが見落としがちな“無関心でも生きられてしまう構造”との対比が、とても静かに刺さります。 さらに、韓国文学が一貫して「苦しむ人を描くこと」を自分たちの使命としてきた理由がわかると、誰かの声を聞くという行為がどれほど能動的で、努力を伴うものなのかを考えさせられます。作品の背景にある社会の痛みを知ることで、文学そのものの読み方も変わっていく本です。 「ただの知識ではなく、自分の感情の位置づけを少しでもつかみたい」という人に刺さると思います。私にとっては、世界を見るときのピントが少しだけ合うようになった一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

なぜハン・ガンは、アジア人女性として初めて、ノーベル文学賞を受賞したのか? ・内容紹介 大きな話題を呼んだ原著に、この2年、激動する韓国文学の重要作の解説を加筆、40頁増の新版登場! 韓国文学は、なぜこんなにも面白く、パワフルで魅力的なのか。その謎を解くキーは「戦争」にある。 ・著者メッセージ 本書の初版は二〇二二年七月に刊行された。その後二年と少しの間に、新たに多くの韓国文学が翻訳出版された。増補新版ではその中から注目すべきものを追加すると同時に、初版時に紙幅の関係などで見送った作品にも触れることにした。特に「第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である」の章に多くを追補している。 その作業を進めていた二〇二四年十月に、ハン・ガンがアジア人女性として初のノーベル文学賞を受賞した。本書を読めば、ハン・ガンが決して孤立した天才ではなく、韓国文学の豊かな鉱床から生まれた結晶の一つであることがわかっていただけると思う。 海外文学には、それが書かれた地域の人々の思いの蓄積が表れている。隣国でもあり、かつて日本が植民地にした土地でもある韓国の文学は、日本に生きる私たちを最も近くから励まし、また省みさせてくれる存在だ。それを受け止めるための読書案内として、本書を使っていただけたらと思う。(「まえがき」より) 【目次】 まえがき 第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの 第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命 第3章 IMF危機という未曾有の体験 第4章 光州事件は生きている 第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』 第6章 「分断文学」の代表『広場』 第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である 第8章 「解放空間」を生きた文学者たち 終章 ある日本の小説を読み直しながら あとがき 増補新版 あとがき 本書関連年表 本書で取り上げた文学作品 主要参考文献 【関連ワード】 韓国文学 ハン・ガン キム・ジヨン ノーベル文学賞 フェミニズム 戦争 朝鮮戦争 82年生まれ 外国文学 BTS チョ・ナムジュ ファン・ジョンウン フィフティ・ピープル チョン・セラン
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