
YABUNONAKAーヤブノナカー (文春e-book)
金原 ひとみ
文藝春秋 / 2025-04-10
この本について
人間関係に振り回されている時って、自分が何を感じているのかすら分からなくなる瞬間がありますよね。変わりたいのに変われず、気楽さを求めるほど社会との摩擦が増えていく感じ。誰かの「正しさ」に合わせようとして消耗したり、逆に自分の中の暗い感情に驚いたり。そういう揺れを抱えたまま日々を過ごしている人は、多いんじゃないかと思います。 『YABUNONAKA』は、その揺れをごまかさずに正面から描いています。例えば「自分は三十年以上ほとんど変わっていない」という驚きと絶望、他者と溶け合うことで自分が薄まっていくような感覚。あるいは、正義と悪意の境界が曖昧なまま、それでも何かを選ばなきゃいけないという圧。読んでいて楽になるわけではないけれど、自分の中にも同じ種類の感情があったのだと気づける場面がいくつもありました。特に「正しさの変化に追いつけず、出しゃばるなと言われているように感じる」という苦しみは、今の空気の中で息が詰まっている人には深く響くと思います。 世界の方が正しさを更新していく中で、自分の速度が追いつかないことに罪悪感を抱えている人。あるいは、愛情や仕事の関係性を維持しながらも、自分の浅さや無意味さを突きつけられる瞬間を経験した人。そんな人にとって、この小説は自分の内側を照らす「暗いけれど必要な明かり」のように働きます。 こんな人に刺さる作品です。正しさにも間違いにも寄りきれず、ただ揺れている自分を抱えたまま生きている人へ。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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