
「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か (集英社新書)
久保(川合)南海子
集英社 / 2022-08-17
累計読者数28
平均ハイライト数 20.6件/人
推定読了時間 約2時間55分
star総合評価 62/100
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この本について
推し活って、好きなはずなのにときどき「なんで私はこんなに振り回されてるんだろう」とか、「この熱量ってどこから来てるんだろう」とか、ふと立ち止まる瞬間があります。推しを応援しているだけなのに、気持ちが大きく揺れたり、誰かと語り合うと急に世界が鮮明になったり。その理由が言語化できなくて、モヤモヤすることもあります。 この本は、その“モヤりポイント”を、認知科学という視点でそっと照らしてくれました。二次創作でなぜ世界が広がるのか、応援という行為がどうして対象の魅力を底上げしてしまうのか、そして「推し」と自分の間でほんとうに起きているのは何なのか。読んでみると、あの感情の動きが単なる思い込みではなく、「自分が世界に意味を投射している」というごく人間らしい営みなんだと腑に落ちていきます。誰かと推しを語り合うと気持ちが軽くなる理由も、コミュニティが共有する“見えない物語”が存在していると知ると説明がつくんですよね。 推し活をしているのに、どこかで自分を客観視してしまう人。行為と気持ちの関係をうまく整理できない人。そんな人に特に刺さると思います。読んでみると、自分の熱量の正体が少しだけ言葉になるので、「ああ、これはちゃんと理由があったんだ」と前より落ち着いて推しに向き合えるようになります。
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出版社による紹介
認知科学で見る、人間の知性 推し活、二次創作、2・5次元、モノマネ、応援上映、ぬい撮り…… 漫画やアニメの登場人物に感情移入し、二次元の絵や映像に実在を感じる。 はたまた実際に出会い触れることはほとんどないアイドルやアーティストの存在に大きな生きる意味を見出す。 これらの「推す」という行為は、認知科学では「プロジェクション・サイエンス」と呼ばれる最新の概念で説明ができる。 「いま、そこにない」ものに思いを馳せること、そしてそれを他者とも共有できることは人間ならではの「知性」なのだ。 本書では、「推し」をめぐるさまざまな行動を端緒として、「プロジェクション」というこころの働きを紐解く。 はじめに 第一章 ♯「推し」で学ぶプロジェクション ―応援― 第二章 プロジェクションを共有するコミュニティの快楽 ―生成― 第三章 「推し」との相互作用が生まれるとき ―育成― 第四章 ヒトの知性とプロジェクション ―未来― 第五章 とびだす心、ひろがる身体 ―拡張― 第六章 プロジェクションが認識世界を豊かにする ―救済― (本文より) 「推し」に救われたという経験は、「推し」が自分に直接なにかしてくれたということではありません。 「推し」によって自分がなにかに気づいたり、自分がなにかできるようになったり、自分をとりまく世界のとらえ方が変わったということなのでしょう。 あらためて考えてみると、このような自分のありようとこころの変化は、本書のテーマである「プロジェクション」がもたらす事象そのものです。 はじめて聞いたという人が多いと思いますが「プロジェクション」とは、こころの働きのひとつで、認知科学から提唱された最新の概念です。
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