
推し、燃ゆ (河出文庫)
宇佐見りん
河出書房新社 / 2020-09-10
累計読者数19
平均ハイライト数 11.9件/人
推定読了時間 約1時間7分
star総合評価 61/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 54%
この本について
ときどき、自分の生活がうまく回らない理由がうまく言葉にできなくて、ただ「重たい」という感覚だけが残ることがあります。人との距離のとり方が分からなかったり、家にいるだけで体力を使ったり、支えにしているものが揺らぐと一気に世界が崩れる気がしたり。そういうときに、何を拠りどころに生きていけばいいのか迷う人は多いと思います。 『推し、燃ゆ』は、その迷いをごまかさずに描き切ってくれる作品でした。推しを追うことが救いにもなるし、ときに自分を壊しかねないほど深いものにもなる。その揺れ幅を、表面的な「オタクあるある」じゃなく、生活の手触りとして書いてくれるので、自分の中の言語化できなかった痛みのかたちが少しだけ見えてきます。推しと自分の声が重なる瞬間の心の動きや、家族との距離感が日に日に積もっていく感覚など、一見小さな描写が「わかる」と思えたところが多かったです。 特に、何かに全身で寄りかかってしまう自分を責めがちな人には刺さると思います。依存と救いの境界線をきれいに整えず、そのままの姿で置いてくれる物語なので、「弱さを抱えたままでも生きていい」と静かに肯定されたような気持ちになります。極端な結論に連れていかないところも好きでした。
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出版社による紹介
【第164回芥川賞受賞作】 逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。
目次
かか 三十一日
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