
死んだら永遠に休めます
遠坂 八重
朝日新聞出版 / 2025-02-20
この本について
仕事がしんどい時って、「自分だけがおかしいのかな」とぐるぐる考えすぎて、余計に身動きが取れなくなることがありますよね。疲れすぎると「おはようございます」すら言えなくなる感じとか、重要メールなのかどうか判別つかなくて、一件ずつ開くしかないあのだるさとか。やればいいのは分かってるのに片づけられなくて、また探し物で時間を溶かす自分とか。あの感覚に覚えがある人は、この本の空気にたぶん触れられます。 『死んだら永遠に休めます』は、登場人物の誰もが“限界に近い普通の人”として描かれています。誰が悪いのか切り分けられない職場の空気や、疲れすぎると人間の言動がどれだけ歪むのかが、妙にリアルなんです。例えば、誰もが欠けた状態で働いていて、見下し合いが止まらない悪循環とか、健康だった日の記憶すら霞むほどの身体の重さとか。読んでいて胸が痛いのに、「ああ、こういう人間の壊れ方ってあるよな」と、変に救われるところもある。 そして意外だったのは、主人公が“強くなる”とか“環境に勝つ”方向に引っ張られないことです。むしろ、向いてないことは頑張らないとか、できない自分のまま一つずつ確認していくしかない、といった現実的な視点が淡々と積み重ねられていて、それが逆に呼吸を楽にしてくれます。 日常がじわじわ重く感じていて、「別に大事件はないけど、このままじゃしんどい」という人に刺さるはずです。無理に前向きにさせられない物語だからこそ、自分の感覚がそのまま肯定されるような読後感がありました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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