
イクサガミ 神 (講談社文庫)
今村翔吾
講談社 / 2025-08-08
この本について
仕事でも人生でも、自分の選んだ道が正しかったのか、ときどき足が止まることがあります。振り返りたくなるし、できるなら戻ってやり直したい気持ちも出てくる。でも現実はそんなに優しくないし、周りの変化の速さに置いていかれるような感覚もある。そんなときに手に取ったのが『イクサガミ 神』でした。 この本は歴史小説の形をしていながら、「人は旅を振り返ってもよい。でも、戻ってはいけない」という視点を物語の中でじわっと効かせてきます。登場人物たちもまた、自分の選択に迷いながら、それでも前に進むしかないという現実と向き合っています。過去の大きな出来事ですら遠い他人事になっていく描写は、今の時代に生きる自分たちとも地続きで、変化に慣れすぎる怖さみたいなものを静かに突いてきます。 さらに、「世の中は一分の有能と九割九分の無能で成り立っている」という断言をどう受け取るかは人それぞれですが、少なくとも私は、努力を強制されるような圧よりも、「黙々とやるしかない時期ってあるよな」と妙に素直に受け止めました。誰かの虚勢や正義に振り回されるより、自分の選んだ事実を積み上げていくしかない、という静かな覚悟のようなものが流れています。 大げさに人生を変える本ではないですが、過去に引っ張られがちな時や、自分の足取りを確かめたい時にそっと効いてくる物語です。特に「迷っているけれど、止まりたくはない人」に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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