
国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
木村幹
筑摩書房 / 20250410
この本について
大学って、外から見るほど整った仕組みでもないし、教授という肩書きだけで中身が全部わかるわけでもない。でも、自分の進路を考える時や、研究者としての働き方を想像する時、どうしても「実態が見えない場所」に入っていくような不安ってありますよね。僕自身、大学の世界に関わる人たちの働き方をきちんと知ろうとした時、表の説明だけではまったく足りないと思わされました。 この本が面白いのは、大学組織のリアルを「制度」と「人」の両面から淡々と描いてくれるところです。教養部が解体されていった理由や、なぜ教授同士でも互いの仕事をよく知らないのか、委員会や学会が日常業務としてどれだけ重くのしかかっているのか。ニュースでは拾いきれないこういう背景がわかると、大学がなぜあんなふうに動くのか、腑に落ちる瞬間がいくつもあります。また、院生やポスドクの制度がどう現場に影響しているかも丁寧で、「努力すれば報われる」といった単純化とはまったく違う、現実のキャリアの描き方がむしろ安心感をくれました。 特に刺さるのは、研究者のキャリアを「恵まれた偶然」や「組織の事情」がどれほど左右するかを正直に書いている点です。専門性を積み重ねるほど選択肢が狭くなるという話も、進路で悩む人には逆に救いになるはずです。自分の努力だけでは説明できないことが確かにある、と認められるから。 大学という場所の裏側を、感傷でも批判でもなく知りたい人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
目次
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





