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国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

木村幹

筑摩書房 / 20250410

累計読者数3
平均ハイライト数 20件/人
star総合評価 61/100
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この本について

大学って、外から見るほど整った仕組みでもないし、教授という肩書きだけで中身が全部わかるわけでもない。でも、自分の進路を考える時や、研究者としての働き方を想像する時、どうしても「実態が見えない場所」に入っていくような不安ってありますよね。僕自身、大学の世界に関わる人たちの働き方をきちんと知ろうとした時、表の説明だけではまったく足りないと思わされました。 この本が面白いのは、大学組織のリアルを「制度」と「人」の両面から淡々と描いてくれるところです。教養部が解体されていった理由や、なぜ教授同士でも互いの仕事をよく知らないのか、委員会や学会が日常業務としてどれだけ重くのしかかっているのか。ニュースでは拾いきれないこういう背景がわかると、大学がなぜあんなふうに動くのか、腑に落ちる瞬間がいくつもあります。また、院生やポスドクの制度がどう現場に影響しているかも丁寧で、「努力すれば報われる」といった単純化とはまったく違う、現実のキャリアの描き方がむしろ安心感をくれました。 特に刺さるのは、研究者のキャリアを「恵まれた偶然」や「組織の事情」がどれほど左右するかを正直に書いている点です。専門性を積み重ねるほど選択肢が狭くなるという話も、進路で悩む人には逆に救いになるはずです。自分の努力だけでは説明できないことが確かにある、と認められるから。 大学という場所の裏側を、感傷でも批判でもなく知りたい人に向いています。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

採用、出世、お金、働き方、人間関係、進まないDX化…… ぜんぶ見せます! 時は1993年。若き政治学者・木村幹(27歳)は、愛媛大学法文学部に助手として採用された。「雇用の安定した国立大学に就職し、研究に集中したい」という夢が早々に叶い、これで韓国の政治文化研究に打ち込めると思いきや、国立大学の置かれた状況は刻一刻と悪化していく。 神戸大学に移るも、2004年の独立行政法人化により研究費も人員も削減され、予算獲得のための仕事が日々の研究を圧迫する。昇進しても、小さいパイの取り合いで疲弊するばかりだ。 還暦間近のとある部局長が見つめた、おかしくも哀しい国立大学の30年。

目次

はじめに――不思議な仕事 序章 国立大学三〇年 私的三〇年史/はじめての赴任/教養部解体と学部改組/異動の掟/国立大学間の異動/黎明期の独立研究科 第一章 大学教授はどう採用される 大学教授って誰のこと/公募と引き抜き/審査はこう行われる/引き抜きは減っている/任期付きポストと任期のないポスト/教授になるには/仕事はどんどん増えていく/教員人事はいつもギリギリ コラム 大学教員とお金 第二章 組織としての大学のガバナンス 本部と部局/教員組織のトップは評議会/教員組織と事務組織/教授会は各部局の意思決定機関/学域に所属、部局に配置/執行部会議と各種委員会/部局長(研究科長・学部長)はどう選ばれる コラム 大学教員と人間関係 第三章 大学教員の働き方 裁量労働制/学年暦と授業の厳格化/教育業務/学内行政事務/研究業務/対外活動/外部資金獲得/ワークライフバランス/絶えないハラスメント問題 コラム 大学教員とご飯 第四章 学会でのお仕事 学会とは何か/なぜ学会に入るのか/学会は営業とリクルートの場/学会の会員になる/会員を辞める/学会を運営する/学会長はこうして選ばれる/年次大会や研究会の開催/学会誌編集/査読のあんばい/査読とハラスメント コラム 大学教員と専門分野 第五章 大学教員を育てる 大学教員の退職年齢/学部と大学院はこう違う/学生を紹介するのも仕事/研究者の卵はここでつまずく/ポスドクを助ける コラム 大学教員と編集者 第六章 営業する大学教員 部局の運営経費は三〇年で三〇〇〇万円減/個人研究費は年間五〇万円から一〇万円に/科研費は大学のお金/外部資金への依存が招く問題/少子化だけではない/二種類の営業/大学を売り込む/国内での営業/研究者としての営業/研究費を得るための間接的な営業/本を出すための営業/研究プロジェクトに参加するために顔を売る コラム 大学教員と趣味 第七章 大学は海外に活路を見出す 留学のセットアップ/変わるアジアの大学との関係/奨学金を獲得する/英語コースの設置/留学生は多すぎるのか/リカレント教育という道 コラム 大学教員とDX むすびにかえて
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