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遊びと利他 (集英社新書)

遊びと利他 (集英社新書)

北村匡平

累計読者数7
平均ハイライト数 29件/人
star総合評価 74/100
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この本について

仕事でも日常でも、つい「最短ルートで正解にたどり着かなきゃ」と思い込みがちですよね。寄り道したり、予定外の揺れに巻き込まれると不安になるし、他人と関わる場面ではできるだけコントロールしたくなる。でも、そうやって世界との接点を締め上げるほど、自分の感覚も他者との関係も痩せていくような感覚がありました。 『遊びと利他』が面白いのは、この「効率が正義」という前提をいったん外し、迷宮のように世界へ足を踏み入れる視点をくれるところです。たとえば、子供が通学路で虫を追いかけたり、ネット遊具の揺れを互いに生み合ったりする場面。そこでは自分のペースや予定よりも、偶然の揺れや他者の存在に“さらされる”ことから関係が立ち上がっていく。この本は、その揺らぎの中でしか育たない知恵や利他性があると、具体的な描写で示してくれます。 読み終えると、他者や環境を「管理」するのではなく、自分も変わらざるをえない状況に身を置くことの価値が少しだけ腑に落ちます。何かを成し遂げる話ではなく、世界との接し方を静かに調整してくれる本です。 予定通りに動けない自分を責めがちな人、他者との距離感に迷っている人には、とくにしっくりくると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

【「コスパ」と「管理」から自由になるために】 「コスパ」「タイパ」という言葉が流行し、職場や教育現場、公共施設や都市でも管理化が進む昨今。 そうした流れは子供たちが遊ぶ「公園」にも押し寄せている。 かつての遊具たちは安全性を理由に撤去・改装がおこなわれ、年齢制限・利用回数制限も定着しはじめた。 社会に蔓延する効率化・管理化に抗うにはどうすればいいのか。 そのヒントは「利他」と「場所作り」にある。 東京科学大学の「利他プロジェクト」において、全国の公園と遊具のフィールドワークをしてきた著者が、自由と想像力を養う社会の在り方を考える。 【目次】 序章 21世紀の遊び場 第一章利他論――なぜ利他が議論されているのか 第二章公園論――安全な遊び場 第三章遊び場を工学する――第二さみどり幼稚園 第四章遊び場を創り出す――羽根木プレーパーク 第五章森で遊びを生み出す――森と畑のようちえんいろは 第六章遊学論――空間を組み替える 第七章学びと娯楽の環境 終章利他の場を創る 【著者略歴】 北村匡平(きたむらきょうへい) 映画研究者/批評家。 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院。 1982年山口県生まれ。 東京大学大学院学際情報学府修士課程修了、同大学博士課程単位取得満期退学。 日本学術振興会特別研究員(DC1)を経て、現職。専門は映像文化論、メディア論、表象文化論。 単著に『椎名林檎論――乱調の音楽』(文藝春秋)、『24フレームの映画学――映像表現を解体する』(晃洋書房)、『美と破壊の女優京マチ子』(筑摩選書)など多数。
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