
遊びと利他 (集英社新書)
北村匡平
この本について
仕事でも日常でも、つい「最短ルートで正解にたどり着かなきゃ」と思い込みがちですよね。寄り道したり、予定外の揺れに巻き込まれると不安になるし、他人と関わる場面ではできるだけコントロールしたくなる。でも、そうやって世界との接点を締め上げるほど、自分の感覚も他者との関係も痩せていくような感覚がありました。 『遊びと利他』が面白いのは、この「効率が正義」という前提をいったん外し、迷宮のように世界へ足を踏み入れる視点をくれるところです。たとえば、子供が通学路で虫を追いかけたり、ネット遊具の揺れを互いに生み合ったりする場面。そこでは自分のペースや予定よりも、偶然の揺れや他者の存在に“さらされる”ことから関係が立ち上がっていく。この本は、その揺らぎの中でしか育たない知恵や利他性があると、具体的な描写で示してくれます。 読み終えると、他者や環境を「管理」するのではなく、自分も変わらざるをえない状況に身を置くことの価値が少しだけ腑に落ちます。何かを成し遂げる話ではなく、世界との接し方を静かに調整してくれる本です。 予定通りに動けない自分を責めがちな人、他者との距離感に迷っている人には、とくにしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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