
カラマーゾフの兄弟 1 (中公文庫)
ドストエフスキー and 江川卓
講談社 / 2018-06-10
この本について
仕事でも人間関係でも、自分の感じ方が正しいのか、ただ揺れているだけなのか分からなくなるときがあります。割り切れなさに向き合うほど、「結局どうすればいいんだろう」と足が止まるような瞬間ってありますよね。そういうときに読むと、世界の複雑さそのものに少しだけ耐性がつくのが『カラマーゾフの兄弟』だと思っています。 抜粋を読んでいても、善人に見える人の中にあるわがままや、弱さと誠実さが同居している感じがそのまま出てきます。アリョーシャが天使ではなく、ちゃんと血が通った青年として描かれたり、グルーシェンカが自分の性質を静かに告白する場面があったり、誰も単純化されていません。読んでいると、「人はこういうふうに矛盾を抱えたまま動いていくんだよな」と、自分の中の混乱にも少し居場所ができるような感じがします。 それに、登場人物が投げかける言葉の中に、なぜか自分の悩みと地続きに感じる瞬間があります。罪悪感の扱い方とか、他人の言動をどこまで信じていいのかとか、正しさよりも関係をどう保つかとか、実際の生活のなかで何度もぶつかる問題ばかりです。作中の会話は大げさに見えるのに、妙にリアルで、ふと自分の判断や感情のクセが見えてきたりします。 人の気持ちの「揺れ」をそのまま受け取りたい人に刺さる一冊です。絵空事ではなく、迷いながら生きている自分をそのまま連れて読める物語だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
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