
ほくほくおいも党
上村裕香
小学館 / 2025-07-16
累計読者数4
平均ハイライト数 12.8件/人
推定読了時間 約3時間35分
star総合評価 59/100
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この本について
人と話していて、自分の言葉がすっと出てこないときがあります。相手のほうが正しい気がして押しつぶされる感じとか、家族の前だと昔の役割に戻ってしまって本音がどこかに消える感じとか。大きな声の論理に、こちらの小さな気持ちが負けていくあの感覚、けっこう共通なんじゃないかと思います。 『ほくほくおいも党』を読んでいて刺さったのは、まさにその「小さな側」の言葉が丁寧に拾われていくところでした。公的な言葉に押し流される子どもの視点や、家族に対する複雑な感情、誰にも言えなかった苦しさが、急に輪郭を持ちはじめる瞬間が何度も出てきます。悩みを解決するような話ではなくて、「ああ、自分が感じていたのはこういうことだったのかも」と静かに気づかされる感じです。自分の中の言葉を奪い返すって、こういうプロセスなんだなと実感しました。 家族との距離感に悩んでいる人や、親の価値観から自由になりきれていないと感じている人にはとくに響くと思います。大げさじゃないけれど、自分の奥に沈んでいた気持ちをそっとすくい上げてくれる一冊でした。
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出版社による紹介
お父さんに家族との対話を要求します! 高校三年生の千秋は、父と兄との三人暮らし。左翼政党員の父は、勝てない選挙に出続けて六年。兄は父の出馬をきっかけにいじめられ、引きこもりになった。母は同じころ家を出た。政治と政党に没頭し話の噛み合わない父だが、千秋は対話をしたいと願う。 すれ違う三人の家族を中心に、左翼政党員を親にもち風変わりな名前の自助サークルに集う「活動家二世」たち、震災のボランティアをきっかけに政治活動に出合う青年、高校の生徒会長選挙のドキュメンタリーを撮ることで新たな視点を得る高校生──それぞれの姿を家族の物語とともに描く全六話。 わたし選挙権の話なんてしてないじゃん。話聞いてよ──「千秋と選挙」 母の言葉とわたしの言葉はちがうのに、わたしは母の言葉を借りてしまう──「佐和子とうそつき」 どっちもそのひとで、どっちも親子の本当じゃん──「和樹とファインダー」 ボランティアって素晴らしいと思ってん──「康太郎と雨」 親父は結局、子どものことなんて考えてないんです──「健二とインターネット」 話すことを諦めたら、わたしはお父さんを憎んで、憎んで憎んで、死んでほしいと思っちゃうかもしれない──「千秋と投票日」
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