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女王様の電話番 (集英社文芸単行本)

女王様の電話番 (集英社文芸単行本)

渡辺優

累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
star総合評価 36/100
boltライト読書型

この本について

人間関係って、距離のつめ方を間違えると一気に疲れますよね。仲のいい友人にも本当のことは言えなかったり、誰かの何気ない一言にずっと心がざわついたり。大人になってもそのあたりは全然うまくならなくて、「昔より耐性ついてるはずなのに…」みたいな戸惑いが残ることもあります。 『女王様の電話番』の抜粋を読んでいると、そういう感覚に妙に寄り添われるんです。主人公が、他人からの悪意や好意を正面から受け止めきれずに戸惑ったり、反射的に傷ついたり、怒りのやり場を失ったりする感じが、まるで自分のことみたいで。誰かにやさしく励まされても、心の奥では別の温度を抱えていたりするあの感じ。ここが刺さって保存した人、多いんじゃないかなと思います。 この本が効くのは、綺麗ごとじゃなくて「人と関わるしんどさ」を正面から描いているところです。例えば、わかってほしい相手には伝わらないのに、言いたくない相手には見透かされるような感覚とか。誰かを好きになることが世界の仕組みに巻き込まれることなんだ、と気づいてしまったときの心の重さとか。そして、自分の中の怒りや違和感を「そう感じる自分ごと」ちゃんと扱っていいんだな、と思わせてくれるところ。 派手な事件が起きる話ではないけれど、主人公の揺れ方が本当にリアルで、読んでいると「今はまだうまくやれなくても、とりあえず今日はこれでいいか」と少し呼吸がゆるむ作品です。 人の機微に敏感で、日常の小さなすれ違いにすぐ疲れてしまう人に静かに刺さります。

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