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二つの祖国(二)(新潮文庫)

二つの祖国(二)(新潮文庫)

山崎 豊子

新潮社 / 2009-09-10

累計読者数5
平均ハイライト数 12件/人
推定読了時間 約4時間55分
star総合評価 57/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 47%

この本について

最近、物事を「どちらが正しいか」で割り切れなくて立ち止まる瞬間が増えました。立場が変われば見える景色が変わるのは分かっていても、正義や責任を言い切る言葉に触れると、自分の判断が急に心もとなくなることがあります。 『二つの祖国(二)』を読んでいて強く感じたのは、勝者と敗者のどちらにも寄りきれない揺れの中に、人間のリアルがあるということでした。原爆の描写や収容所の家族への手紙のような、生々しい場面が続くのに、そこにいる人たちは誰も“物語上の記号”ではなく、ただ必死に自分の立場を生きているだけなんですよね。正義が一つに定まらない感覚そのものが、この本を読むことで少し落ち着くというか、「答えが揺れるのは当たり前だ」と思えるようになりました。 もう一つ、この作品が効いたのは、自分が普段どれだけ歴史を“結果”だけで見ていたかに気づかされたところです。勝った側が作った法廷、負けた側の沈黙、家族を守りたかっただけの人たち……。ページをめくるたびに、立場が変われば正義も変わるという当たり前のことを、頭ではなく体で理解させられます。 正しさに疲れた時や、自分の判断に迷いが生まれた時にそっと効いてくるタイプの物語です。特に「簡単に割り切らない自分のままでいたい人」に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

終戦の翌年、極東国際軍事裁判が始まり、賢治はモニター(言語調整官)として法廷に臨むことに。戦勝国と敗戦国、裁く者と裁かれる者、そのいずれもが同胞だった……。重苦しい緊張の中で進行する裁判の過程で、自らの役割に疑問を抱き始める。家庭では妻との不和に悩まされ、次第に追い詰められてゆく賢治は、日本で再会した加州新報の同僚・梛子に、かけがえのない安らぎを感じていた。
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