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不毛地帯 第五巻(新潮文庫)

不毛地帯 第五巻(新潮文庫)

山崎 豊子

新潮社 / 2009-03-15

累計読者数6
平均ハイライト数 9.5件/人
推定読了時間 約5時間43分
star総合評価 58/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 65%

この本について

仕事で決断を迫られたり、組織の中で誰かの思惑に巻き込まれたりして、「正しさ」と「現実」のあいだで気持ちが引き裂かれるような日がありませんか。私もよくあります。自分の判断は本当にこれでいいのか、誰かを傷つけていないか、それでも前に進まないといけないのか……そんなモヤモヤを抱えたまま仕事をしていると、ふと心がすり減る瞬間があります。 『不毛地帯 第五巻』を読んでいて、保存された抜粋の多くが「人間としての感情」と「職務としての判断」がぶつかる場面に集中しているのが印象的でした。壹岐の迷いや後味の悪さ、老いた上司への複雑な感情、国益と企業利益のはざまで割り切れない気持ち。どれも綺麗ごとでは済まない現場の空気で、読んでいるとこちらまで胸がざらつきます。ただ、そのざらつきが、不思議と自分の迷いと重なってくるんですよね。 この巻が効いてくるのは、まず「長期で物事を見るとはどういうことか」を、生々しい事例で体感できるところです。十年単位で布石を打つ企業の姿勢や、政治と資源開発の絡み合いが描かれる中で、短期の感情だけでは仕事は進まない現実が見えてくる。もう一つは、壹岐が何度も「人としての痛み」を抱えたまま判断を下す姿から、自分の弱さも抱えたままでいいのだと思わせてくれるところです。誰しも割り切れないまま仕事をしている、という視点が少しだけ心を軽くします。 こんな人に刺さる本です。組織に揉まれながらも、自分の感情を捨てずに働きたいと思っている人。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

油田開発を商社マンとしての最後の仕事と思い定めた壹岐は、社内の反対を押し切り、イランのサルベスタン鉱区に賭けた。政官界からの逆風をかわし見事採掘権の落札に成功するが、灼熱の大地からは一向に原油の噴き出す兆しはなかった……。シベリアと中東、二つの「不毛地帯」を彷徨する一人の日本人の戦いを、戦後史を背景に圧倒的な筆致で描ききった一大巨編、ここに完結。
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