
イワンの馬鹿
レオ トルストイ and 菊池 寛
スラヴァ書房
累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
推定読了時間 約1時間49分
star総合評価 34/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%
この本について
人と関わっていると、「なんであの人はあんなに怒るんだろう」とか、「こっちは争う気なんてないのに、いつの間にか面倒な空気になっている」とか、よく分からない摩擦に巻き込まれることがあります。自分が悪いわけでもないのに、気づけば疲れている。そんなときに、この『イワンの馬鹿』の抜粋が妙に残るんですよね。 悪魔が仕掛けても、兄弟がまったく争わない場面。ここに刺さる人って、きっと「争いを避けたいのに、周りの都合で消耗しがちな人」なんだと思います。イワンの「馬鹿さ」は、何も考えていない鈍感さじゃなくて、争いのゲームに参加しないという頑固さに近い。周りが勝手に期待する“いさかいの構図”に乗らないだけで、こんなに空気が変わるのか、という気づきがあります。 この話が効くのは、まず、人間関係の摩耗ポイントが「自分の性格」ではなく、「乗らなくてもいい争いのルール」にあるかもしれないと気づけるところ。それから、相手の思惑や仕掛けを全部拾わなくてもいい、と少しだけ心が軽くなるところ。そして何より、イワンのように少し不器用でも、自分なりのペースで生きることが案外まちがいではないと思えるところです。 余計な対立に巻き込まれがちな人に、静かに効いてくる物語だと思います。
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出版社による紹介
トルストイの不朽の名作、ついに新訳で登場!! かれこれ三十年になるでしようか、ロシア旅行の際に求めたトルストイの葉書セットがまだ手元に残っています。元は12枚ありましたが、学生さんにあげたりして、今では一枚だけになりました。自宅で寛ぐ晩年の作家の姿や孫と一緒の写真などの中で、ひときわ印象に残ったものがありました。それはトルストイがベンチに腰を下ろして二人の子供と話している写真です。 向かって左手にトルストイ、中央に男の子、右手に女の子が写っていて、老作家の話に二人が熱心に耳を傾けています。特に中央の少年の表情が印象的で、文字通り顔がぱっと輝いているのです。トルストイのお話しに本当に夢中なのが分かります。彼はどんなお話しをしているのでしょう? そう、きっと「イワンの馬鹿」に違いありません。だってこんなにも面白くてためになるお話しは、他にないですもの。 いつの頃からか、私にはそんな「イワンの馬鹿」をちゃんと読んでみたいという「夢」がありました。そしてその成果を本にできれば、と。その夢が今、叶いました。本当に嬉しい限りです。 でも「イワンの馬鹿」は、今では使われなくなった語彙や表現も多くて、見た目以上に手強いのです。ネイティヴに訊いても、分からない箇所が随分ありました。そして中身も……。そう、「イワンの馬鹿」は「外柔内剛」なのです。 例によってロシア語の質問に懇切に答えていただいたイリーナ・ボプコワさんをはじめ、吹き込みをしてくださったユリヤ・エフレーモワさんその他の方々の協力を得て、どうにか完成できました。ここに謹んで感謝の意を表します。
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