
High Conflict よい対立 悪い対立 世界を二極化させないために
アマンダ・リプリー and 岩田佳代子
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2024-06-21
この本について
人と話していて、「この人、もうこちらの話を聞く気ないな」と感じる瞬間ってありますよね。こちらも身構えて、気づけば勝ち負けみたいな空気になる。仕事でも家族でも、一度そうなると抜け出しにくくて、あとから自分でも何を守りたかったのかよくわからなくなることがあります。 この本を読んで救われたのは、対立そのものが“勝手に膨らむ力”を持つという視点でした。自分や相手の性格の問題ではなく、構造に巻き込まれているだけのことが多い。だから、最初の一歩として相手の話を遮らずに聞くとか、「なぜそこまで気になるのか」を同じ場で共有するといった、ごく具体的な行動が効いてくる。たった数秒の“話せる余白”が、本当に空気を変えるんだと腑に落ちました。 もう一つ刺さったのは、排除される感覚がどれだけ人を頑なにするかという話です。たった数分の無視が大の大人を黙らせてしまう実験の描写は、身に覚えがありすぎて痛い。結局、相手が求めているのは「勝つこと」よりも「理解されること」なんだという当たり前の事実を、具体的な場面を通じて思い出させてくれます。 「正しさを主張し合うだけのやり取りに疲れてきた人」には、静かに効く本だと思います。戦わないための技術ではなく、抜け道のつくり方を教えてくれる一冊でした。
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