
さっさと不況を終わらせろ
ポール・クルーグマン、山形 浩生
この本について
景気のニュースを見ても、正直「結局なにが原因で、自分の生活とどう関係あるのか」がよく分からないまま終わることが多いですよね。物価は上がるのに給料は伸びないし、国の借金の話になると急に不安だけが煽られる。頭のどこかにモヤモヤが残ったまま、結局また次のニュースへ流される感じ、ぼくも長いことそうでした。 この本が効いたのは、そういうモヤモヤを、経済の大きな話と自分の生活の線をつなぐことで少しずつほどいてくれたところです。たとえば「あなたの支出はぼくの収入で、ぼくの支出はあなたの収入」という当たり前の関係を、負債や不況といった大きなテーマと一緒に説明してくれる。だから、借り手と貸し手のバランスが崩れたときに経済がどれだけ脆くなるのか、ニュースよりずっと具体的に実感できます。さらに、政府の借り入れが本当に金利を押し上げるのかという論点も、ただ不安をあおる話ではなく、低迷期ではむしろ逆に働く理由がちゃんと語られる。読んでいて、「あ、自分が怖がっていたものは、仕組みを知らなかっただけだったのか」と肩の力が抜けました。 特に、ミンスキーが言うレバレッジや負債デフレの話は、個人の家計感覚に引き寄せて読むとすごく腹落ちします。みんなが同時に借金を減らそうとした瞬間に経済が縮む、というのはニュースでは絶対ここまで丁寧に語られません。大金持ちの消費がどう中間層の基準を押し上げるのかという話も、自分の「なんでこんなに生活が苦しいんだろう」という感覚につながってきます。 経済の仕組みをちゃんと理解したいけど、難しい理論の押し付けは嫌だという人に刺さる一冊です。ぼくと同じように、「不況の正体」を自分の言葉で説明できるようになりたい人には特におすすめです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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